麻雀の技術として、基本的な牌効率や基本的な鳴き、基本的なリーチ判断が身に付いたら、意識したいことが「形式テンパイ」です。
形式テンパイの強さを理解していないと、上位層には決して敵いません。
本記事では形式テンパイの強さを説明しますので、強さを理解したい人の助けとなれば幸いです。
形式テンパイとは
麻雀のルールでは、流局時にテンパイしていないとノーテン罰符を支払います。
このノーテン罰符を回避するために、役がなくてもテンパイの形を作ることが「形式テンパイ」と呼ばれます。
ノーテン罰符の説明については、各種ルールを説明しているサイトをご参照ください。
形式テンパイの強さ
形式テンパイの強さは、流局したら確実にプラスに作用することです。
テンパイ流局が出来た場合の効果は次のとおりです。
全員ノーテンから自分だけテンパイにできたなら、
できなかった時より、+3000点。
1人テンパイから自分含めた2人テンパイなら、
できなかった時より、+2500点。
2人テンパイから自分含めた3人テンパイなら、
できなかった時より、+2500点。
3人テンパイから全員テンパイにできたなら、
できなかった時より、+3000点。
失点回避の効果について考慮すことに違和感を感じる人も居るかもしれませんが、流局時の確定要素なので、形式テンパイの「打点」と考えましょう。
また、麻雀は期待値を考えるゲームです。打点の次は、その発生率を考えなければなりません。
アガりを目指すか、形式テンパイにするか、期待値を比較して考える必要があります。
発生率(=流局率)は、巡目が深くなればなるほど上昇し、ラストの牌が打たれた後には、驚異の「100%」になります。
つまり形式テンパイは、ラストの牌の先にアガりがあることを知っている状態のテンパイです。
形式テンパイで押す人を見て、疑問に思った経験がある人も居るかもしれませんが、ラスト牌の先にアガりが確定していると考えれば、押すことも理解できるでしょう。
仮定による解説
自身が形式テンパイを取っていて、ラストの牌(海底牌)を持ってきたとします。
他のプレイヤー1人がドラポンをしていて、残り2人は完全に降りている状況です。
ラストの牌で振り込む確率は20%、振り込み時の失点は8000点と見積もりました。
この時、ラストの牌を押す価値はあるか考えます。
それぞれの期待値は、次のとおりです。
失点の期待値:8000×0.2=1600点
加点の期待値:2500×0.8=2000点
(流局確率=振り込まない確率)
これより、20%で8000点に振り込む場合でも、形式テンパイは局収支で「押し」になります。
実例の紹介
前項では数字を使いましたが、ここでは使いません。
形式テンパイで助かった対局があったので、紹介だけにします。
オーラスで、3着とは300点差のラス目です。
愚形残りの現在の手で、アガりは難しいと判断し、上家の切った1mをポンします。(形式テンパイ)
もちろん、上家もテンパイしていたら負けですが、やや降りている可能性がある捨て牌なので、この状況でできることは、形式テンパイくらいです。
(上家が押していたら、振り込み期待で自分は降りるのも選択肢)
ラスだけは取りたくないルールのため、その後は、どんな危険牌を持ってきても切ることになります。
結果は、運良く上家ノーテン。
形式テンパイの判断で、ラス回避ができました。
まとめ
形式テンパイの強いところは、ラストの牌(海底牌)が切られた後に、「100%」プラスに作用することです。
不確定要素だらけの麻雀において、数少ない確定要素を利用しない手はありません。
形式テンパイを甘く見ていた人は、今一度、考察してみてはいかがでしょうか。
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